火喰鳥を、喰う

信州に住む九鬼勇次の人生に奇妙な事件が起こる。彼の曽祖父である戦争末期に亡くなった帝一の名前が、九鬼家の墓石から謎のように削り取られていた。同時期に、帝一が亡くなった場所から彼の戦時日記が届く。勇次が読むと、帝一の生き延びようとする必死の思いが記されており、周囲で超自然現象が起こり始める。祖父が消え、日記の最後のページには「飛来道りを食う美味なり」という謎めいたフレーズが書かれていた。これら不気味な出来事は亡くなった人々の仕業なのか？第40回横溝正史ミステリー・ホラー賞を受賞した、戦争、遺